スウェーデン留学(フォルケスコーラ)染めの授業 毛糸の植物染め

スウェーデン留学

9月の終わり、留学して約一か月経った頃に毛糸の植物染めの授業。
染色は、とてもシンプルな工程なのに驚いた。時が色を作る。

学校の庭で火をおこし、大きな鍋で染料の材料と毛糸を入れてぐつぐつ煮る。

1時間ほど煮たら、色むらのないように木の棒を使って毛糸のわっかをくるくるまわし、強い酸性液に漬けて色止め。学校の敷地に面している湖で毛糸を洗い、洗い終わった後は毛糸の輪っかをブンブン回して水けを切る。

もちろん、お鍋に沸かす水も湖の水。薪(たぶん近くの木を切ったもの)も学校の納屋にあり、自然がそばにあるって、なんて幸せなこと!!
私の住む川崎では、こうしたことを日常の暮らしではできないので、貴重な体験だったし、憧れでもある。

スウェーデンの9月下旬の最低気温はもう10度以下。ダウンジャケットを着て、鍋のそばで手を温め暖を取りながらの作業は楽しかったなぁ。

染料に使ったのは、白樺の葉っぱ、紫たまねぎの皮、コチニール(カイガラムシ)、花や花の根、きのこ。ドライのものもあれば、フレッシュなものもある。

白樺の葉を少し乾燥させたもの
学校敷地内にあるリアンファナ(染めには、ドライ品を使用)

染料について、グループに分かれて事前に調べたのだが、私のグループはきのこ。
週末にクラスメイトが採ってきたきのこ(これができちゃうのが羨ましい)で染めてみたが、残念な結果に終わった。色の薄いきのこっだったからかな?でも、何でも試してみることが大事!

コチニール、、、聞いたことがあると思ったら、カニカマなど食品にも使われている染料。ムシだということを初めてこの時に知った。

染めた毛糸は、白、ライトグレー、ダークグレーの3色で、並べるときれいなグラデーションになって美しい。特に私は、ダークグレーで染めた毛糸がお気に入り。ところどころグレーが残っているので、色に変化があって深みがあるから。

命に命が吹き込まれ、新たな産物になる。自然の恵みに感謝!

染めた毛糸は数日かけて雨風の当たらな納屋の中で、ゆっくり乾燥。このスローな工程が好き。

最後の作業は、色のサンプルファイル作り。最後にくじを引いてみんなで毛糸を分けた。

私があてた毛糸はこちら。

濃紺はブルーブラジリアン、オレンジはクラップという花の根っこ。
実を言うと、ブルーブラジリアンが最初に当たり、好みの色ではないなぁと思ったけど、次に当たったオレンジが美しく、濃紺とオレンジの組み合わせが、これまたよい!

ということで、秋休みにミトンを編みあげた。完成時は私の手には大きかったので、ぬるま湯に石けん水を溶かしてフエルト化。密になってしかも起毛されたので、暖かい。

クラスメイトの一人は、この時期になると友人と毛糸を染めて冬支度をするとのこと。
帰国後は毎年きれいに染め上がった毛糸の写真を送ってくれる。

最後まで読んだくださり、ありがとうございました。

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