こんにちは、KAKAです。
2023年8月から2024年6月まで、スウェーデン中部のダーラナ地方、Moraの国民高等学校のテキスタイルコースで手工芸を学びました。織物、刺繍、ソーイング、染色、ヤーンワーク(毛糸や麻糸など様々な糸での作品づくり)、羊毛加工(羊毛のフエルト化や糸紡ぎ、ムートンを使った作品)、革細工、木工、プリント加工(シルクスクリーンなど)、陶芸、ガラス細工など。10か月間で様々なことを学ぶことができました。
留学のきっかけは、2022年にスウェーデンを旅行したときに(娘が別の国民高等学校で学んでいましたので、作品展示会を2022年6月に観に行きました)、いくつかの美術館やLoppis(ロッピス:日本のリサイクルショップのようなお店ですが、アンティークの品などが格安で売られています)を巡って、日本の民芸にも通じるような手工芸品を目にしたことです。
刺繍を施した可愛らしい民族衣装やバッグ、テーブルクロスや小さな敷物、裂き布でできたマットなど、日々の暮らしで使われているテキスタイル用品に目を奪われました。
刺繍をしたり、簡単な洋服を作ったりすることは好きでした。というのも、祖母は和裁の先生、時代背景もありますが編み物や洋裁も好きで、身に着けるものはほとんど手作り。母は美大卒で絵を描く以外にも刺繍や洋服、クラフト品などアイデア豊富な手作りものに囲まれた生活だったことが少なからず影響していたように思います。
子育て、介護も終わって、人生後半をどのように紡いでいこうかと考え始めていたときに、スウェーデンの手工芸品に出会い、スウェーデンの人々の暮らしを感じながらテキスタイルを学びたいと思い留学。送り出してくれた夫、家族に感謝しています。
スウェーデンのテキスタイルを日本で知っていただけるような活動をしていきたいと準備中です。
国民高等学校とは
国民高等学校。日本語に訳されると、堅苦しく聞こえてしまいます。スウェーデン語では、「Folkhögskola.nu(フォルケホグスコーラ)」と書きます。
18歳以上の方なら誰でも学ぶことのできる学校で、スウェーデン人以外に広く門戸が開かれているのがProfileコースです。芸術、ヘルス、環境に関わる分野、スポーツやアウトドア、メディア系、そのほかの生活や暮らしに直結する分野の専門性を追求することができるたくさんのコースがあります。
イメージとしては生涯教育でしょうか、、、
国民高等学校には、もちろん各コースの専門の先生はいますが、学生がそれまでの経験や知識をベースに積極的に授業に参加し、相互に学びの可能性を広げ高めていくことを重視しています。
現在、国民高等学校は156校(2023年)あり、カリキュラムは各学校による独自の内容となっています。
入学のためのいわゆる試験はなく、志望動機や国民高等学校で学んだことをその後、どのように生かすのかなどを書いたパーソナルレターを提出します。学校によっては、その他の資料を求められることもります。私の場合、大学の卒業証明書が必要でした。
語学のレベル証明書なども不要です。授業は主にスウェーデン語で行われますが、英語も可能です。
実はお恥ずかしい話ですが、スウェーデン語はコミュニケーション能力ほぼゼロの状態でスウェーデンに渡りました。英語も日常会話程度レベルでしたが、クラスメイトや先生に助けられて何とか過ごすことができました。今考えると、相当の冒険者というか、楽観主義者でうよねぇ。
スウェーデンで英語やスウェーデン語の勉強をしてましたが、頭がいっぱいいいっぱいになってしまい、途中からは作品をつくることに集中することにして少し気持ちがラクになりました。
帰国してから、改めてスウェーデン語の勉強を始めています。
留学費用
国民高等学校の授業料は、とてもありがたいことに無料です。
各学校は寮を併設していますので、寮に住む場合は寮費(光熱費、食費を含む)と事務費(教材費、スクールトリップの保険料、午前と午後のコーヒー代など)を学校に支払います。
私が在籍した国民高等学校は、寮費が5,250SEK/月、事務費が16,000SEK/年(合わせて約90万円)。こちらは入学後に支払います。海外旅行保険が約14万円。往復の航空チケット代が約30万円(夏休みのため、行きのチケットが高めでした)。
高額の支払いは、上記の計約130万円でした。
国民高等学校への留学とは
留学には、交換留学、現地の大学等で卒業資格をとる正規留学、語学留学など、様々な形態があります。私が選んだスウェーデンでの国民高等学校での学びは、大学等での難しい勉強とは異なる実践的なもののように思います。
私のような年代で人生後半をどのように過ごすかを考えている方は、そのヒントを得ることができるかもしれません。
国民高等学校への出願方法などの詳細は、こちらの記事に記載していますので、参考にしてください。▼